神戸市東灘区、阪神本線御影駅近く、その高架下に豊かな湧き水で満たされた井戸があるのを、通りかかった方はご覧になったことがあるかもしれません。
井戸があるのは街中でも珍しくありませんが、高架下で池の状態になった井戸は、他にはあまり見かけません。
私が子どもの頃には、もっと陰鬱で近くを通るのも怖いと感じていた、街中の井戸、沢の井は、改修されて明るくなり、立ち寄りたいスポットになっています。
うっそうとしていた頃の面影はなく、石畳が敷かれて水も循環されています。
習い事で子ども時代にこの辺りを夜歩いていたときには、防犯面も不安で、そばを急いで駆け抜けたものでした。
人が通る道の脇、阪神本線の高架下が、このようになっているんです。
潤沢な湧き水に恵まれた神戸市東灘区は、酒蔵の町としても知られ、この環境が町を支えてきたんだなあと感じる場所があちこちに点在しています。
戦時中は防火用水時代もあったそうです。
神功皇后が、お化粧をされるときに水面を鏡替わりに利用されたという言い伝えで、それが御影の地名の由来だということです。

沢の井、池になった形の湧き水は、阪神本線の南側にありますが、北側には石碑があり、沢の井と御影と題された説明文が読めます。
この石碑は、御影市場・旨水館の入り口すぐ近くにあるので、相互に目印になる良い場所です。