米子城址は、城郭が無く石垣があるだけなのでつい最近まで地元の人にもあまり注目されていない場所でした。

ところが、2022年元日午後9時放映のNHK新春特集「日本最強の城スペシャル 第10弾~一度は行きたい絶景の城~」という番組でなんと最強の城に選ばれたことで状況は一変!

天守閣もない片田舎の城址がなぜ第1位なのか?と皆不思議だったのですが、番組によると中国地方一の高さを誇りその美しい姿で伯耆富士とも言われる大山(だいせん)や中海(なかうみ)、島根半島から弓ヶ浜半島、日本海、そして米子市街地など、360°を一望できる天守からの絶景が評価されたとのことでした。

そして今や、大山頂上と太陽が一致するダイアモンド大山が見られる日には、早朝6時に天守跡に1000人以上の人が集まるようになりました。
いつもは中海に面した湊山公園側から登るのですが、今回は登山路が工事中で入れなかったので、正面の三の丸広場からのコースを紹介します。
駐車場からの米子城址です。
1953年~2020年まで利用された歴史ある湊山(みなとやま)球場は、今では発掘調査場所や駐車場になり、何やら新しい施設の建設も進んでいました。

赤線が今回のコース。いつもは桜のある上部側のコースから登っています。
米子城には、天守からの絶景以外にもう1つ「登り石垣」という注目点があります。米子城以外では、現在、愛媛県の松山城と滋賀県の彦根城でしか発見されていない登り石垣は、防衛強化のために造られた石垣です。

しかし、米子城の登り石垣は、現在かなり崩れた状態で今後適切な修復が期待されますが、2023年12月現在、登山路の舗装工事中でその姿は見られません。
後で聞いた観光協会の人によると「登り石垣が崩れたようになっているのは、一昔前の人が城内通路の階段の整備等に使ったため」ということでした。
まさか、当時の人もそんなに大切な遺構だとは知らなかったんでしょうね。

登山路には杖がおいてあります。雨の後はさらに滑りやすくなって危険です。
本当に登山コースみたいです。
15分くらいかけて登るとようやく天守跡が見えてきました。

そういえば、2022年に大泉洋さんと成田凌さん出演のCMシリーズ「すべてを突破する。TOPPA!!!TOPPAN 文化財保全篇」にも米子城跡はその石垣の美しさで採用されました。
あと一息でゴールの天守跡!
やっと到着しました。冬でも汗びっしょりです。^^;
天守跡から南側を見ると本当に大山がきれいでした。杖を持った老夫婦のご家族連れも無事登頂されたようです。
遠くに大山町の風車群も見えました。
下を見ると米子の市街地、手前に旧野球場があったスタート地点の駐車場、その左が発掘調査が行われている場所です。結構怖い ^^;
北側を見ると、中海の向こうに島根半島が見えます。
現在は足元が悪いと言われていますが、これはこれで楽しい面もあります。
でも、登山路が整えばもっとたくさんの人が24時間足元を気にせずに登れるようになりそうです。

米子城址
住所:鳥取県米子市久米町
所在施設:湊山(みなとやま)公園
問い合わせ先電話:0859-23-5436
駐車場:あり(普通車41台、ハートフル2台、大型バス6台)

米子市ホームページより

米子市文化観光局 
ダイアモンド大山」が絶景です