田村市都路町の山奥に、行司ヶ滝という滝があります。
その昔、境界争いの行司(勝負の判定を決する者)を取った場所として、その名がつけられた滝です。
地面に降り積もった雪に木漏れ日が差し込み黄金色に照らされる場所に対し、白く流れる滝や雪化粧された岩肌のコントラストがとても美しく、この時期ならではの景色が広がっていました。
撮影を終えてからも、しばらくその場から離れられないぐらい、滝の美しさに心を奪われました。
道中に「日本一短い森林鉄道」と書かれた看板や「この遊歩道は大正時代のトロッコの廃線跡です」と書かれた看板があります。
滝までの道である行司ヶ滝遊歩道は、森林資源の運搬をするために整備された行司沢支線を利用した遊歩道です。
過去、人々が木材などを運搬していた道が、現在は人を迎え入れ、自然の美しさを届けてくれる道になっていることを思うと、考え深いものがあります。