2024年の最初に観劇した舞台は「どうしようもない」です。
劇団テンペストは福岡で活動していますが、その派生ユニットが藍色企画です。
本作はそんな藍色企画が制作した作品の第2弾でした。
「どうしようもない」はバラバラになった家族の物語です。
こうした題材を取り扱った作品は、例えば海外の明るい映画ならハッピーエンドとなる作品も多くあります。しかし本作はそうはなりませんでした。
両親のいない兄妹たちに訪れるのはひたすらに理不尽な運命。文字通りどうしようもない状況が描かれます。
観終わった後に爽やかな気持ちになれる作品ではありませんが、俳優陣の声を枯らし感情をぶつけ合う演技は「怒り」や「悲しみ」がどういったものかを思い出させてくれました。
なぜなら、日常において年齢を重ねれば重ねるほどそうした感情を抑えることに人は慣れてくるからです。
重く、しかし観ごたえのある作品で新年の観劇をむかえられて良かったと思いました。