福島県の会津美里町に「左下り観音堂」という懸造りで建てられたお堂があります。
懸造りとは、古くから寺社建築に用いられ、山や崖などの建築が難しい場所に建てる建築様式です。
山腹に建てられた観音堂は、崖から突き出しており、反対側から見ると崖にへばりつくように建てられています。
格子状に組まれた木材同士が支え合う姿がとても美しく、建築美を感じます。
案内板によると延文3年(1358)室町時代の頃に大改修を加えており、それ以降の詳細が不明とのこと。
つまるところ、今から660年前の建物ということになります。
左側から迂回することで、観音堂の中に入ることができ、清水の舞台ならぬ左下りの舞台からは、会津盆地を見下ろす形で眺めることができます。
裏手には、崖の岩肌も見られ、大きな氷柱も確認することができました。
先には小さな洞窟があり、不思議な雰囲気に包まれています。
美しくも独特な雰囲気を持つ場所でした。