以前、ご紹介したこともある、豊島のシンボル「檀山」。
豊島の桜がちらほらと咲いているのに気づいたわたしは、一昨日(4月4日)、檀山に上がって、ちょこっとだけお花見をしてきました。
四季を通じて檀山の展望スペース「岡崎公園」からの眺めはとても美しいのですが、春はとにかく格別。
本格的に春の訪れを告げる桜が、檀山のいたるところで満開になるからです。
その時の桜がこちら。
だいぶ花開いていて、岡崎公園のそこかしこを薄紅色に染めていました。
桜をゆっくりと眺めて、そっと振り返ってみれば、そこには瀬戸内の海と島、向こうには高松の街が遠く広がっています。
一昨日は薄曇りの日で、少しだけ肌寒く、桜の色もキリっと澄んで見えました。
青く晴れた空に桜が映えるのは、間違いなくうつくしい景色ですが、灰白色の空や雲があっても、桜の美は失われない。
改めて、桜へのいとおしさを感じました。
ところで、一緒に行った友人が、「満開の桜は怖い」と言っているのを聞いて、坂口安吾が書いた『桜の森の満開の下』という物語を思い出しました。
ひとびとが桜の下で、あんなにも賑やかにお花見を楽しむのは、その真実に気付いてはいるけれど、見て見ぬふりをしたいからなのかもしれません。
満開の桜の下には、孤独でうつくしい鬼がいる。
人の命そのものみたいな桜がものがたるのは、人間は結局はどこまでも独りなのだという抗いがたい真実。
なぁんて、詩的なことを言ってみても、やっぱり桜は綺麗で、春は必ずやってくるのです。
そのことに救われながら、わたしは今年も、春の豊島を楽しんでいます。
もしも桜の時期に豊島を訪れることがあったら、ぜひ檀山へ上ってみてください。
車や自転車で簡単にのぼれますよ☆彡