宮島の小高い丘に建てられた『豊国神社』は、畳857枚の広さを持つことからから『千畳閣』と呼ばれています。
太閤秀吉が創建した経堂なのですが、その秀吉が急死したため現在も未完成のままで瀬戸内海を見下ろしています。
なるほど、『千畳閣』の名に相応しい広大なお堂です。
この日は大雨が降っていましたが、雨空が床に反映されてとても神秘的でした。
天井には、奉納された絵馬などがずらりと並んでいます。
江戸時代には納涼の場として活用されていたとのこと。
風が通り抜けて気持ちよさそうです。
床に腰を下ろして景色を見ていると、時を忘れてしまいます。
雨の瀬戸内海。
静かな空気の中で、雨音だけが響いていました。
霧を纏った弥山と、厳島神社も見えます。
明治時代の神仏分離を機に、ここは秀吉を祀る神社となりました。
志半ばだったかもしれませんが、『千畳閣』は未完成だからこそ趣があるような気がします。
宮島観光の際はぜひ『千畳閣』を訪ねて、澄んだ空気を味わってみて下さい。