「雲林院」(うんりんいん・うりんいん)は、京都市北区紫野にある臨済宗の寺院です。
もとは淳和天皇の離宮・紫野院として造成され、後に寺院に改められました。
平安時代には広大な敷地を誇っており、現在は大徳寺の塔頭である真珠庵もかつては雲林院の境内にありました。
紫式部はこの周辺で生まれ育ったとされており、真珠庵には「紫式部産湯の井戸」があります。
「紫式部」という名称は、一般的には『源氏物語』に登場する「紫の上」に由来するとされています。その一方で、「紫」は雲林院のある紫野に由来するという説もあるそうです。
現在の境内に本堂はなく、観音堂が残ります。
境内には西行の歌碑があります。
雲林院から東に500メートルほど行くと、紫式部の墓所と推定される地があります。
ここもかつては雲林院の境内だったそうなので、いかに広かったかがうかがえます。