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漫画家水木しげるのルーツ のんのんばあと正福寺の六道絵 地獄極楽絵
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趣味・カルチャー
鳥取県・曹洞宗 巨嶽山 正福寺
漫画家水木しげるさんと言えば妖怪で有名ですが、かつての水木少年に目に見えない不思議な存在やこの世とは違う世界へと導いたのが、のんのんばあと武良家(水木さんの本名)の菩提寺 正福寺にあった「六道絵 地獄極楽絵」だったと水木さんが「のんのんばあとオレ」の中で語っています。
この正福寺「六道絵 地獄極楽絵」は国の有形民俗文化財に指定されています。
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のんのんばあは、本名を景山ふささんと言い水木さんの生家でお手伝いさんをしていました。「のんのん」とはこのあたりで神仏を表し、幼い子供が神仏に祈る際に「のんのん様」と手を合わせたりします。
のんのんばあはとても信仰深く、幼少の水木少年に目に見えないものの存在やこの世とは別の世界があることを繰り返し話して聞かせたと言います。
そのため水木少年が妖怪、お化けの世界に興味を持つきっかけを作ったのはこののんのんばあだと言われています。
そのエピソードは「のんのんばあとオレ」という自伝にも描かれドラマにもなりました。
ある日、水木少年はのんのんばあと一緒に菩提寺である正福寺を訪れ、人が亡くなった後の様子を描いた地獄絵3枚と極楽絵1枚からなる「六道絵 地獄極楽絵」に強い衝撃を受けたと言います。
水木少年は、その後も一人で何度も何度もその絵を見に訪れ長い時間飽きずに見ていたそうです。
「六道絵 地獄極楽絵」は、人が亡くなった後、初七日から一周忌までにあの世で通る道のりが描かれています。この体験が将来「ゲゲゲの鬼太郎」「悪魔くん」「妖怪大百科」等の傑作を生みだす最初の1歩になったと考えるととても興味深いです。
※以下の写真はガラスの反射があり見づらい部分があります。
※写真撮影、ネット掲載の許可は取ってあります。
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正直、幼い子供が熱心に何度も見てしまう絵とは思えないのですが、そこが凡人と天才の違いなのでしょう。
受付やお堂内には、水木さんと正福寺やのんのんばあにまつわるエピソードを描いた原画、文庫本「のんのんばあとオレ」、のんのんばあの遺族が寄贈された遺品の和鏡も紹介されています。
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また、庭の一角には、水木さんが80歳の傘寿を迎えた記念に造られた記念碑も寄贈され設置されていました。
寺の受付には、遠く東京や千葉、広島などからの人がお参りされた記録があり、水木さん人気の健在ぶりを物語っているようでした。
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