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芦雪の龍が見られるお寺
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趣味・カルチャー
和歌山県・勝浦・串本・すさみ
大阪中之島美術館で展覧会が開催された画家、長沢芦雪をご存知ですか?
愛嬌のある丸々とした犬や、どこかコミカルな表情のトラの絵など、「どこかで見たことがあるかも。」とお思いになる方も多いでしょう。
大阪の中之島にはそんな芦雪の生誕270年を記念して、多くの寺や美術館から、彼の作品が集められていました。
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その中でも特に目を引くのが、水墨画で、大きな襖に描かれた龍の絵。
そしてそれは、本来は和歌山県の無量寺にあるものなのです。
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無量寺で描いた絵は、今や芦雪の代表作として扱われていて、多くの人が芦雪といえばその龍の絵を思い浮かべるそうです。
私は中之島の美術館にも足を運びましたが、美術館の中で見るよりも、お寺の中で襖として展示されているものを見るほうが、「作品があるべき場所にある」という感じがしました。
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少し遠いですが、足を運んで、大きなその龍と対峙することで、「奇想の画家」といわれた芦雪が和歌山でのびのびと振る舞えたその気持ちや、なんとなく漂う孤独を感じることができると思います。お寺そのものも、趣深い建物でした。