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中洲大洋最後の一日 その二
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趣味・カルチャー
福岡県・中州
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「チャップリンの黄金狂時代」は1925年に制作された映画で、チャップリンの映画の中でも特に評価の高い作品です。
伝説の映画スターであるチャールズ・チャップリン。山高帽にステッキ、チョビ髭の姿といえば映画を知らない人でもどこかで見たことがあるかもしれません。
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最後の上映が行われたのは、4つある劇場の中で一番大きい中州大洋1でした。
入り口の前にはチャップリンの作品のポスターをはじめ、かつて中州大洋で連日満員を記録した「E.T.」のポスターもありました。
黄金狂時代だけでなく、この日上映する作品のチケットは全て完売。
劇場は満員の観客でいっぱいでした。
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黄金狂時代のラストは爽やかなハッピーエンド。エンドマークが出ると同時に大きな拍手が巻き起こりました。
上映が終わった後もこの劇場との別れを惜しみ、スクリーンや映写室を見つめる人たちの姿がありました。
劇場を出ると、スタッフの方々の姿や運営会社の岡部章蔵社長の姿もありました。岡部社長に話しかけるたくさんの人たち。最後の光景を目に焼き付けようとする人々。それは中州大洋が迎えた、まるで黄金狂時代のようなハッピーエンドでした。