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鳥取「人形のはなふさ」石破総理大臣からトランプ大統領に贈られた兜飾り

趣味・カルチャー
鳥取県・人形のはなふさ
鳥取県にある「人形のはなふさ」は、ひな人形、五月人形を始め、ランドセルや結納、掛軸、盆提灯等の日本の伝統的人形や伝統的行事の品を扱っている老舗の人形店です。
創業は江戸時代にさかのぼる享保2年(1717年)。かれこれ300年を越える老舗で、東は鳥取から西は出雲、浜田まで計6店舗を構えています。
お宮参りやひもおとし(七五三)の衣装レンタル、写真撮影も行っています。
この老舗とはいえ地方の一人形店が、最近、世界的な脚光を浴びる機会がありました。
2025年日本時間2月8日にアメリカホワイトハウスで行われた、日本の石破総理大臣とトランプ米大統領による日米首脳会談です。
その時に石破総理大臣がお土産として日本から持って行ったのが、はなふさの端午の節句用の兜でした。
総理大臣が地元の特産品を海外の要人へのお土産にすることは珍しいことではありません。
が、ピンとこないーというのが地元民の本音です。
「金が好きなトランプ大統領のために金がふんだんに使われたものを」ーという注文で昨年に依頼があったそうです。
が、誰が誰に贈るものかはお店の方にも知らされず、首脳会談の直前に「実はは・・・」と知ることになって驚かれたとか。
日本で端午の節句に向けて、五月人形が店頭に並ぶ時期になりその兜が店舗に陳列されました。

玄関を入ると、それはドーンと真正面に鎮座していました。
この真ん中の兜が、トランプ大統領に贈られた兜です。

この兜の名前は、「 亜麻色縅満天金星兜(あまいろおどしまんてんきんぼしかぶと )」といいます。(何度聞いても覚えられません^^;)
眼にした皆さんが同じように言われるそうです。
「意外と小さいですね」
本当にその感想がそのままでした。日本人の男性が被るときっと顔半分も隠れないで、頭の上にちょこんと乗った状態になりそうな大きさです。
確か「大人が被れる大きさのものを注文された」と聞いたのですが、実際は被ることはなさそうだから、この大きさになったのでしょうか。

それにしても、日本の伝統品工芸品の質の高さを改めて実感しました。兜の両側についている「吹き返し」部分には、子孫繁栄や長寿を表す唐草文様が入っています。
そして、金色はトランプ大統領がお好きな色というだけでなく、「永遠の輝きを放つように」との思いが込められているそうです。


この兜のお値段は、16万8000円(税込み)ですが、すでに予約がいっぱいで2年待ち状態とか。1日5件だった問い合わせが100件まで増え、現在は予約を制限していると言われてました。

それにしても、日本の伝統工芸品に携わる職人さんの技術は、本当に素晴らしいです。絶対に絶やしてはいけないと思いました。
有名な武将をイメージした兜も並んでいました。


自然な流れなのでしょうが、五月人形だけでなく、おひな様やお盆の提灯等、時代に応じてどんどん様変わりしています。
そして、端午の節句もこいのぼりも、今はベランダ用のコンパクトサイズが主流です。小さくてかわいいですね。
一昔前はおひな様は5段飾りや7段飾りが当たり前の時代もありましたが、徐々にマンションでも飾れるようコンパクトなものが主流に変わっています。
昔は庭で誇らしげに泳いでいたこいのぼり、雨が降りそうになると誰かがあわててしまっていましたが、最近は濡れても大丈夫な素材なんでしょうね。

さらには、こいのぼりよりも兜の方が人気だそうです。
兜も洋風住宅にも合うような設えのものも登場しているんですね。
兜も洋風住宅にも合うような設えのものも登場しているんですね。

でも、時代によってその形は変わっても、親から子供への願いは昔も今も変わりませんね。
まるで美術工芸品の美術館に行ったようなひとときでした。
住所:鳥取県米子市新開6丁目2-5
営業時間:10:00~18:30
定休日:年中無休
駐車場:有り