「気嵐」は、放射冷却で冷え込んだ早朝に海面で発生する霧のことで、漢字に「嵐」の字を使いますが「気嵐」が起きる朝は風が弱く穏やかです。
「けあらし」は方言で、一般的には「蒸気霧」(じょうきぎり)といいます。
一体で100キロ超えのメカジキは、一尾あれば多くの人のお腹を満たすことができるため、漁船の乗組員が帰港した際、自宅や近所に持ち帰る「分けざかな」として好まれてきました。そのため、気仙沼の港町付近に住む人々の思い出の中に「豚肉の代わりにメカジキを入れた「メカカレー」が家庭料理として定番だった」というエピソードがあるほど。漁期は通年で、夏でもマグロほど身の質を下げないメカジキは、地元の人々にとって馴染み深いメジャーな食材です。
メカジキは、気仙沼では「メカ」と呼ばれ、骨からも良い出汁が取れるため、捨てるところのない魚とも言われています。気仙沼の冬を告げる「気嵐」と「メカジキ」。どちらも気仙沼ならではのものです。是非一度幻想的な風景の中で絶品のメカジキを堪能してみてください。