東本願寺は建物以外にも貴重な歴史を物語るものがあります。

今回は意外と観光客もスルーしがちな展示物をご紹介します。

まずは前回も拝借した境内図。
阿弥陀堂から入って御影堂行く際に、渡り廊下を通ります。
以前に西本願寺を書いた際にも渡り廊下はありましたが、それと比べると小ぢんまりとしています。

しかしこちらには貴重な展示物が置かれています。

まずは「大橇(おおぞり)」。
昔、越後の山から巨木を伐採し建築に使われていました。
京都まで運ばれていたわけではないと思われますが、雪山での作業もあり、過酷なものだったと想像できます。

そんな作業中に雪崩が発生、多くの人を巻き込み、そのうち27人が亡くなるという大事故が起こりました。
この事故は「尾神嶽殉難事故」と呼ばれ、語り継ぎ教訓にしたと言われています。

こちらはレプリカですが、実際はもっと大きなソリを使っていたのではないかと思われます。

そしてそんな大きな物を引っ張るのには強靭な綱が必要です。
となりにはそれが置かれています。
こちらは実物の「毛綱(けづな)」です。

普通の綱では弱いので、女性の髪の毛と麻を撚り合わせて作られました
多くの女性の髪の毛が使われています

近づいてみましょう。
ケバケバしてるところをよく見ると、本当に髪の毛らしきものが見えます。
寄付みたいな形で集めて作られたと思うのですが、ちょっと怖い感じです。

やっぱり髪の毛って強いのかなぁ、女性の物を使うのは長い髪が必要だったから?

さて渡り廊下を通って、御影堂も抜けると、また長い廊下が現れます。
それを進んでいくと、接待所の手前に「ギャラリー」があります。
親鸞聖人の生涯に関する常設展示のほか、季節ごとにさまざまな展示がされています。

こちらは休憩所として立ち寄る観光客も多いです。
休憩できるという案内は無いので、知る人ぞ知るという感じでしょうか。


おまけ

東本願寺にはお土産コーナーがあり、仏教に関するものや記念の品などが購入できます。
そんな中に面白いものが。
東本願寺の水」です。

慶長5年、教如上人は石田三成軍から逃れるため、岐阜県の山間部に向かいました。
そして滋賀県との県境にある国見峠付近の鉈ヶ岩屋で数日間身を隠していたといいます。

教如上人は途中、岐阜県揖斐川町春日を通り、そこにあった「おじゃれの水」を飲んで身も心も潤したと言われています。

これは岐阜県で捕れる名水「高質の森水」におじゃれの水」を加えたものです。

水分補給やお土産にどうでしょうか?


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東本願寺
住所:京都府京都市下京区烏丸通七条上る
参拝時間:3月~10月 5:50~17:30
     11月~2月 6:20~16:30
拝観料:一部有料
その他:お車でお越しの方はお問い合わせください。