以前から気になっていた紅葉スポット「文知摺観音」を訪ねてみました。
福島駅から車でおよそ15分。車を駐車場に停め、入り口へ向かうと、紅葉が見事な木々が迎えてくれました。
その中にある鐘楼は、境内の静けさにそっと溶け込んでいます。
奥へ進むと、松尾芭蕉の像が姿を現しました。
眺めていると、観光で来ていたらしい方が声を掛けてくださり、芭蕉がこの地を訪れたことでも有名なのだと教えてくれました。
また、正岡子規も足を運んだのだとか。
こんな場所があったとは…。心の中でそうつぶやきながら歩いていると、境内が思っていたより広いことに気づきました。
紅葉を眺めながらの散歩は心地よく、色ずいた葉の隙間から陽が差し込み、心を温めてくれる感じがします。
あぁ秋だな…自然と季節を感じてしまいます。
やがて、文化九年に建立されたと伝わる福島県指定重要文化財「安洞院多宝塔」が姿を見せました。
紅葉の中に静かに佇むその姿は美しく、しばらく見入ってしまいます。
景色はきっと当時とは違っているのでしょう。
それでも芭蕉も、正岡子規も、同じようにここで何かを感じたのだろうか。
そんな想像が、秋の空気の中にゆっくりと広がっていきました。