相国寺の境内には、「後水尾天皇髪歯塚」があります。緑が生い茂っていて敷地の様子はあまり見えませんでしたが、名前の通り、後水尾天皇の毛髪と歯を納めた塚です。
後水尾天皇の塚がここにあるのは、かつて相国寺にあった「大塔」と関係があるようです。

足利義満が建てた七重大塔は、焼失と再建を繰り返しており、一時は金閣寺の境内に作られたことも。全高は109.1メートルもあり、史上もっとも高い仏塔とされています。

相国寺で出家した後水尾天皇(当時は上皇)も、大塔を再建した一人。その際、塔の上層部に自身の歯と髪を収めたのだそうです。
天明の大火で塔が焼失したため、代わりに塚が作られたとのこと。つまり、江戸時代後期からある塚なのですね。
通り過ぎてしまいそうな一角でしたが、立ち止まって見たことで面白い歴史を知ることができました。

後水尾天皇髪歯塚(相国寺)の情報
京都市上京区相国寺門前町