園部藩の城である「園部城」は、日本で最後に築かれた城です。
その築城はなんと明治時代になってから。築城から数年で廃城になったかわいそうな城でもあります。
園部藩は、1619年に小出吉親を初代藩主とし、丹波国船井郡(現在の現在の京都府南丹市園部町)に設置された藩です。
所領が2万9800石と小禄であるため城を持つことができず、その拠点は陣屋とされました。
幕末、京都周辺の治安が悪くなったことから、京都から近い園部藩は園部陣屋を城郭化することを幕府に求めるようになりました。
しかしこの申し出はなかなか認められず、そのうちに幕府が倒れてしまったため、今度は明治維新政府と交渉を行うことになります。
ようやく許可が出て、悲願の「園部城」が築城されたのは1869年(明治2年)でした。
喜んだのもつかの間、1871年(明治4年)に廃藩置県が行われ、園部藩は廃止に。園部城には園部県庁が置かれましたが、園部県もすぐに廃止されたため、廃城となってしまいました。
現在、跡地は京都府立園部高等学校の敷地となっています。残された一部の建物は府の暫定登録文化財に登録されました。
なお、園部高校の北側にいかにもそれっぽい建物があってまぎらわしいのですが、これは天守閣風に建てられた「南丹市国際交流会館」で、園部城の遺構ではありません。お間違えなきよう。
↑ これは南丹市国際交流会館。