誰にでも「推し」という存在はあると思いますが、わたしの推しの一つが「usaginingen(ウサギニンゲン)」です。
usaginingenはご夫婦で活動を続けているユニット。

アナログとデジタルを組み合わせた映像と音楽で、唯一無二のパフォーマンスを届けてくれます。

光と音が織りなす美しく色鮮やかな世界は、一度観たら忘れられません。
わたしが住んでいる香川県の離島、豊島(てしま)には、このusaginingenの劇場があり、不定期に公演が行われています。

豊島での公演が不定期の理由は、usaginingenのパフォーマンスが世界的に評価されており、全国ツアーや外国公演などを行うこともしばしばあるため。

そのため、夫婦が島にいないことも多々あるのです。

先日は幸運にも自分の仕事の休みとusaginingenの豊島での公演日がカッチリと合って、劇場へ足を運ぶことができました。
上演されるテーマは時期によって様々ですが、最近の演目は「とんび」。

大規模な不法投棄が問題になった豊島事件をベースに、人々の残酷さや強さ、そこから改めて気づけた豊島のうつくしさを、自作の映像機と楽器で表現しています。

こんなふうに説明していますが、わたしが言葉で伝えることはほとんど無意味だと思っています。

とにかく、実際その目でusaginingenのパフォーマンスを観てほしい。

usaginingenのパフォーマンスには、いわゆる言語は一切使われていません。

それなのに、圧倒的なうつくしさと訴えかけてくる真実性が、何を伝えたいのか、何を表現しているのかを、はっきりとわからせてくれるのです。

また、言葉がないからこそ、わたしが受け取るものと、誰かが受け取るものは違うと思っています。

ひとつのテーマはあっても、人それぞれの心で、受け取り方や感じ方は違う。

私自身、usaginingenの作り出す世界は何度観ても、違うものをわたしに見せてくれるのです。

これこそがusaginingenのパフォーマンスの奥深い醍醐味。

だからわたしは何度でも、彼らの劇場に足を運びます。
終演後は、夫妻がステージから降りて、ご挨拶をしてくれます。

機械や音響の説明もしてくれますし、実際に近くまで行って装置を見ることも可能です。

usaginingenである平井夫妻は、こんなにも素晴らしい表現力を持ち、様々な方面からの評価も高いのに、気さくで気取らない面白いご夫婦。

声をかけてみたら思わぬ裏話が聞けるかも。

実はお二人はusagihouseというお宿や、イベントや講演など多面的に活動しているので、色々な形で触れ合う機会があるのも嬉しいところ。

豊島を訪れた際には、ぜひusaginingenの公演日をチェックしてみてください。

タイミングが合った時が、あなたの世界観が変わるとき。

唯一無二の彼らのライブパフォーマンスを、肌で感じてみてくださいね。