「奥松島」という場所があるのをご存知でしょうか?その名の通り、松島のさらに奥にある宮戸島(みやとじま)を中心とした一帯をそう呼んでいます。


「奥松島」は、松島湾を一望できる「大高森(おおたかもり)」や日本三大渓のひとつ「嵯峨渓(さがけい)」などがあり風光明媚なところです。「松島」があまりに有名なため、いまひとつメジャーになり切れない「奥松島」ですが、野性味を帯びた松島のような荘厳な風景と、都会から離れた自然を満喫できる穴場でもあります。
松島観光のあと少し時間に余裕があったら「石巻行きの下り列車」に乗ってみてください。石巻行きは1時間に1本程度ですから高城町行きでも構いません。そこで仙石東北ラインに乗り換えます。なるべく込まない平日の昼過ぎ頃がベスト。松島海岸駅から下り電車に乗り「高城町」「手樽(てたる)」を通過している開に「向かって右手の車窓が良く見える場所で待機していてくださいね。
陸前富山駅を過ぎ頃から、島の間に水平線(松島湾)が見えてきます。
この陸前富山から野蒜にかけての沿線が「奥松島」と呼ばれる、松島のもうひとつの姿を間近で見られるポイントなのです。
時々水面に立っている細い棒は海苔の養殖場です。
「陸前富山」の隣にある「陸前大塚」駅は、線路からすぐ近くに海がある駅として昔から人気が高く、かつては海をバックにしてホームや駅舎を撮影することができました。しかし震災後に防潮堤が出来たので今はあまり海が見えません。
海は時間によってその姿がどんどん変わるので見ていて飽きる事はありません。ただし、朝方は海から登った太陽が直接当たるので避けた方が良いかもしれません。(それはそれで海がキラキラしてとてもキレイなんですよ)
野蒜(のびる)あたりまで来るとたまに極彩色の大型船が現れる事があります。7月に行われる塩竃のみなと祭りで大切な御神輿を載せるという大役を担っている龍鳳丸と鳳凰丸。まるでこの二艘の茣蓙船が仲良く散歩にでているみたいですね。
野蒜駅です。ここは震災被害がかなり酷かったため、内陸に駅舎が作り直されました。旧駅舎は震災の伝承館となっています。徒歩ですと30分ほどかかりますが、レンタサイクルもあるので是非一度訪れてみてください。
「松島湾に浮かぶ260余りの島々を一望できる名所」を総称して四大観(したいかん)と呼んでおり、それぞれの眺めの特徴を表す名称で呼ばれています。
中でもこの奥松島にある「大高森(おおたかもり)」は松島がまるで箱庭のように見えることから「壮観」の名で知られています。