小督局（こごうのつぼね）は高倉天皇の妃で、天皇の寵愛を一身に受けていました。
しかし、時の権力者・平清盛の娘である建礼門院徳子（けんれいもんいんとくし）が正妃であったため、宮中から追い出されてしまいます。
平家を恐れた小督は嵯峨野に身を隠しました。
天皇の嘆きは深く、小督を探すよう腹心の源仲国に命じます。
嵯峨野にやってきた仲国は、わずかに聞こえる琴の調べを頼りに小督を探し出しました。
天皇と小督はひっそりと逢瀬を重ねます。しかし、清盛にばれてしまい、小督は無理やり出家させられてしまいました。
この小督の物語は謡曲「小督」となり、能の名作として、現在でもよく上演されます。
小督の仮住居があったとされるのが福田美術館の南側のあたりで、謡曲「小督」の旧跡として塚が設置されています。