仙台が発祥と言われる「冷やし中華」ですが、昨今は夏になるとコンビニでも手に入る身近な夏の麺です。
発祥の地という事に関しては諸説あり、実際のところは昔商店街で中華の食堂を開いていた店主たちが「夏場でも売り上げを落とさない方法」として発案したという説が真実味がありそうです。

旅先で冷やし中華を食べた事がないので比較ができないんですが、仙台では中華食堂だけでなく、いろんなところで冷やし中華が食べられます。しかも夏場限定にせず、一年を通して提供している店も多くあり、「真冬に冷やし中華」も可能なんです。
そして今回ご紹介するのは「だんご屋」の冷やし中華です。
店の名前は「藤や」(ふじや)。今年で創業116年という老舗のだんご屋さんです。場所は宮城県庁から愛宕上杉通りに抜ける途中の角地で、昭和の香りがするような木造二階建ての店舗です。それになにより「9時開店」と言うのが嬉しい。マチナカでは11時にならないと店が開きませんが、「藤や」は9時から「冷やし中華」が食べられるんです。
いちおう、大通りに面したこちらが正面のようですね。
店内はいたってシンプル。メニューもとてもシンプルです。お値段もリーズナブルなのが嬉しい。常連の男性は「冷やし中華200円増しにカツカレー」といった具合に麺類とカツカレーのセットを頼むパターンが多いようです。メニューには書いてありませんが、麺類は50円で半玉、100円で1玉の追加の意味で「冷やし中華200円増し」というのは2玉追加の大盛というコトなんです。
とはいえ50円増しにしなくても個人的には充分な量でした。200円増しにしたらおそらくとんでもない量になるのでは?
はい。これが定番のまごう事無き「仙台の冷やし中華」です。おそらく仙台で一番細いんじゃないかと思われる山盛りの極細きゅうりと、お店で焼いている薄焼き卵、メンマと紅ショウガたっぷり。タレはバランス良くオーソドックス。麺にコシがあるので食べ易く、いくらでも食べられそうです。辛子は一気に行ってはいけません。(ほんの少しでも結構辛いです)
うまーい。ほど良い酸味でツルツル入ります。やっぱり自宅で作るのとは年季が違いますね。手作りのチャーシューも分厚い。
窓の上には有名人のサイン額もたくさんありましたが、残念ながらどれが誰のサインか判断できませんでした。
お団子や大福などの甘味は、食後にテイクアウトしていく方が多いようです。
下のテーブル席がいっぱいになっても、座敷や二階でゆっくり食べられるので暑い中外に並ぶ必要もありません。いつかこの風通しの良さそうな二階の座敷にも上がってみたいものです。
地元にしっかり根づき、変わらない味で常連さんに愛されるこのだんご屋さんのよう店が、令和の時代も元気に活躍してほしいです。