毎日暑い日が続いています。先日酷暑の仙台から脱出し、少々遠出をして自然豊かな登米市のはす祭りに行って来ました。〈祭りといっても出店やイベントがあるワケではなく、観賞用の船が出るだけです〉

「登米市」近隣には、冬には渡り鳥の飛来地としてラムサール条約が結ばれている「伊豆沼(いずぬま)」をはじめ巨大な「沼」が3つあり、いづれも夏には「はす」の名所として有名なんです。
「長沼」をざっくり説明すると、迫(はさま)町の中央部に位置する周囲約24キロメートルの宮城県内最大の湖沼です。数年前の東京オリンピック開催前にボート競技の候補にあがった場所で、国際レースも可能な全国でも有数の漕艇場があります。 約24キロの湖畔には遊歩道が整備され、ハーフマラソンと同じ距離になるため、毎年春には地方色豊かな「東北風土マラソン」が開催されます。オランダ風車がある「フートピア公園」には桜やチューリップ等の鮮やかな花が咲き誇ります。
ちなみに長沼のハスは100年の歴史があり、花と葉が大きいのが特長で、茎の高さは水面から約1.5メートルに達するそうです。はすの花をこんなに近くで見たのは初めてでしたが確かに蕾だけでも10センチはあります。
今年(令和6年)は7月27日からの開催が予定されていましたが、好天が続いたため「はす祭り」の開催も1週間繰り上げて7月20日から運航が始まりました。
休日には200人以上の方が訪れるそうですが、この日は平日。しかも日程が繰り上げてあったせいもあり一番船に乗ったのは私含め5人。代金を支払い、ライフジャケットを着せられて先頭付近に着席。「はい出ますよー。スマホの方は絶対に落とさないでくださいねー」
「毎年花をつける場所が変わるんですよ」と、結構高速で船を走らせてくれる船頭さん。ポイントに到着するとエンジンを止め「さあ、立ってもいいですよ。立たないと茎しか見えませんからね」おそるおそる立ち上がると、おお!確かに視界が全然違います!
船頭さんの説明によると、はすの花は早朝の夜明けとともに開花し、昼になると閉じてしまいます。その工程を何度か繰り返したあと、はらはらと散ってしまうのだとか。「早朝に花が開きだすとき」にはとても良い香りがするそうです。
水の深さは1メートルほどしかないため、大型船は「腹がついて」しまうので無理なんです。と言う説明でした。はすの根っこは「レンコン」ですから収穫はするのかと尋ねたところ「昔は収穫してましたが、今はそのままですね。たまに知り合いから『はすの実』を山ほど貰う事はありますけどね」。お盆によく見かけるあのシャワーヘッドのような実が食用だとは知りませんでした。食感は「生の栗に近い」らしいです。
この地元の船頭さんだからこその豆知識がとても楽しいんです。どうやら船頭さんによって内容も変わるらしいですよ。
約30分ほどのクルーズでしたが、船着き場の人達もアットホームでとても清々しい気持ちになりました。駐車場も近くて楽ちん。ただ自販機やコンビニ等は一切ないので飲み物の準備は忘れないでください。

また小型船なので風が強かったり荒天時には船が出ない事もあるので、事前に確認をしてくださいね。