朝夕の気温が15℃を切り、金木製の香りが漂いはじめました。
本格的な秋の到来ですね。
さて、実は今年の春から定点観測していた花がようやく咲いたのでご紹介させてください。

その名も「伊達政宗公慈愛の白萩」といいます。

伊達政宗公は1622年に大悲願寺(現東京都あきるの市)を訪れた際、庭に咲く白萩の見事さに心をうたれ、後に手紙で株を分けてもらえないかと所望したのだそうです。この説は大非願寺に残る「白萩文書」によるものです。
この文書は歴史家の方々によってさまざまな解釈がなされました。
伊達政宗の実弟小次郎は小田原参陣の直前に手打ちにされた、というのが通説になっていますが、実は東京都あきる野市の大悲願寺で匿われて生きていた。その寺から白萩を分けてもらえないだろうか、と政宗が手紙を書いた、という説も考えられるのだとか。

そして政宗の時代から300年以上経った1973年、五日市町(現あきる野市)から仙台市へ友好のしるしとして白萩が送られました。その白萩は仙台市博物館の正面の庭に植えられています。
前置きが長くなりました。

宮城野区役所と宮城野区文化センターの間にある芝生に植えられたこの白萩は、博物館の白萩とは別株のようです。

こちらの株は仙台市公園愛護協力連合会宮城野支部の代表の方が、2014年に直接東京の大非願寺を訪ねて株分けして頂いたそうなので、もしかしたら親戚筋には当たるのかもしれません。
区役所の公園課に確認したところ、他に「宮城県庁花時計前」(青葉区)、「歴史民俗資料館」(宮城野区)、「福住町公園」(宮城野区)それから石巻市の「南浜復興祈念公園」に植樹してあるそうです。花が咲いているうちに全部回ってみたいですねえ。
3月下旬に宮城野区役所の脇で発見したときには「ホントに咲くのかな?」と半信半疑だったんです。枠がなければここに萩が植えてあるなんて全くわかりませんでした。
9月初めに行ってみたらこんな大きな株に育っていました。
つぼみはついていましたが、ここからが長かった。
翌週も来てみましたが変化はなく。それから事あるごとに立ち寄って確認作業。
9月ももう終わる頃にようやく「開花!」
といってもまだ0.5分咲きといったところです。萩の花ってこんなにゆっくり咲くんですね。散る時はあっという間なのに。
ミヤギノハギの花も開きかけていて、文字通り花を添えていました。