
フェリーや高速艇が出航する桟橋が近くにあって、わたしはこの辺りに来ると、意味もなくふらりと船に乗って島に渡りたくなります。
普段はそんなことしないのですが、なぜか先日、衝動的に男木島への切符を買ってしまいました。

平日なので、船内はそれほど混んでいなくて、わたしは窓際の席に座り、ゆっくりと進んでゆくフェリーに身を任せました。
船に乗ると「急がなくていいんだ」とおもいます。
どんなに心が急いでも、船は決まった速さでしか進まない。
思えば島に移住してから「待つ」ことが得意になりました。
船を待つ時間は結構長いし、船が陸につくまでの時間もそれなりにかかります。
でもその時間がわたしにはとても心地好いんです。
読書をしながら、音楽を聴きながら、言葉を書きつけながら、想いを巡らせながら。
待つことが豊かなことだと思えたのは、船のおかげかもしれません。

ただ、その日は下調べもなく、あてもなく船に乗ったため、ほとんどの施設やお店が閉まっていました。
ただ、わたしはその分、日常の男木島に出逢える気がして、次の船の時間までふらりとお散歩を楽しむことにしました。

船から見えた家並も綺麗でしたが、この路地の中を歩くとなぜか懐かしさがこみ上げて、とてもノスタルジックな気持ちになりました。
自分が生まれ育った土地にはこのような風景はなかったのに「懐かしい」と感じるのは、なぜなんでしょうね。



うつくしい文様のようなデザインが、水面に映って、これまた美しくてほっと息をつきました。
次の船を待つ間の、正味2時間の小小小旅行。
わたしにとって「待つ」ということは、日常の中にある非日常なのかもしれない。
「なんにもないけど、なにもかもある」
そう感じるのはなぜかいつも、豊島をはじめとする「島」にいるときです。
とはいえ、男木島にはパンやケーキが美味しいカフェ、タコ飯が名物のおじちゃんやおばちゃんの店、歴史ある灯台やアート作品、私設図書館など、お店や観光スポットはたくさんありますから、気になった方はぜひ男木島へ。
どんな旅にも、あなただけの景色が広がっているはずですから。
男木島
女木島の北約1kmに浮かぶ男木島へのアクセスは、高松港から女木島経由で約40分。平地が少ないこの島には、南西部の斜面に階段状に集落がつくられ、港から民家が鱗のように重なり合う独特の景色を見ることができます。島内は徒歩で移動しましょう。
https://www.my-kagawa.jp/shimatabi/feature/shimatabi/ogijima
男木島
女木島の北約1kmに浮かぶ男木島へのアクセスは、高松港から女木島経由で約40分。平地が少ないこの島には、南西部の斜面に階段状に集落がつくられ、港から民家が鱗のように重なり合う独特の景色を見ることができます。島内は徒歩で移動しましょう。
https://www.my-kagawa.jp/shimatabi/feature/shimatabi/ogijima