わたしが瀬戸内海の小さな島「豊島」に暮らして、丸2年が経ちました。

旅の途中で民宿カラフルに泊まって夫と出逢ったことがきっかけで、民宿のお手伝いを経て、夫と結婚し今に至ります。

慣れない場所での生活に最初は泣いてばかりいたわたしも、今では大抵のことは笑い飛ばせるほど強くなり、だんだんと自分の身体と心が豊島に根付いてゆく感覚を味わっています。
故郷とは違う文化や風習に戸惑ったり、島の人特有の言い回しに傷ついたり、今思えば「なんだそんなことか」と思うことにもいちいち反応して悩んで泣いて。

正直に言えば、もう故郷に帰ってしまおうかなと思ったこともありました。

でも、そんな時にわたしを救ってくれたのが、他でもない豊島の朝の光でした。
以前の記事にも書いたことがありますが、豊島の朝は本当にうつくしい。

羽根をひろげるように朝陽がのぼり、島中に光が拡散されてゆく様は、奇蹟を目撃しているようで、幸福感に包まれます。

高台に登ればお隣の小豆島が見えて、心強いような大らかな気持ちになって、坂道を海辺まで駆け下りて歌い出したくなる。

この景色があるから。

目覚めれば、必ず朝は来て、海も、空も、山も、花も、人の気配も、必ずそばに在る。

当たり前のその事実が、いつの間にかわたしにとっては、驚くほど大きな希望の一つになっていたのでした。

雨はいつか止むし、夜は必ず明けるし、苦しみもしあわせも永遠には続かない。

だから、悲しまなくていいんだよ、と。

今日も機嫌よくやんなさいよ、と。
先日、朝の散歩で目にした景色のすべてが、とても綺麗で、愛おしくて、だから、まちフォトならぬ島フォトとして、ここに残しておきます。

いつかあなたが豊島を訪れたとき、早起きはすこしだけ大変かもしれないけれど、ぜひ朝の豊島を歩いてみてください。

やさしさによく似た夜明けが、あなたの一日の始まりをそっと照らしてくれるから。