鳥取県境港市にある水木しげる記念館は、建物の老朽化により約1年の建て替え期間を経て2024年4月20日にリニューアルオープンしました。

以前の水木しげる記念館はこじんまりとした資料館という感じでしたが、今回のリニューアルによって建物も内部の妖怪や他の展示物も、すべてがグレードアップしてよりリアルに生まれ変わりました。

展示内容は、常設展と企画展があります。
企画展では旧記念館では展示されていなかった貴重な原画が展示されており、約半年ごとに内容を替えて展示されていくようです。

20歳で招集され左腕を失うという過酷な戦争体験がある漫画家水木しげるの人生や言葉は、今を生きる私たちに生きるヒントをくれるのも大きな魅力です。

戦争を知らない現代の人々、多様化し複雑化する人間関係、人間をもしのぐ勢いで進化するテクノロジーに翻弄される世の中……昔と違ってなんとなく生き難さを感じている私たちに、水木さんは自身や妖怪を通じてもっと肩の力を抜いて楽に生きましょうと教えてくれます。
内部は白が基調で天井も高くなって高級感のある美術館といった雰囲気でした。スタッフも以前とは違いシンプルで高級感があるステキな制服を着用されていました。
新しい水木しげる記念館は、第1章から第6章までの常設展と期間ごとに変わる企画展があり、現在の企画展は原画展でした。

常設展
第1章<境港のしげる少年>
裕福な家でユニークな両親の下に生まれたこと、妖怪博士のんのんばあとの出会い、絵ではすでに才能を発揮するも遊びや絵に忙しくて勉強は今一つだったようです。
第2章<水木しげると戦争>
20歳で招集され戦地へ、かけがえのない親友とその死、マラリア罹患、爆撃による左腕切断、南の島の少年との交流、帰国。

出生前に書かれた手記が切ないです。
生きる希望を捨てることが安心できる生き方と書かれていました。
父水木しげるさんが、2人の娘さんに語った戦争体験がお二人の朗読によって語られていた9分の映像がとても印象的で心に残りました。何度も聞きたくなります。
こういう話を語り継ぐって大事なことですね。
第3章<そして漫画家に>
帰国後、美術大学進学や戦後の苦労の多かった生活から漫画家になるまで、結婚、漫画家水木しげるの誕生が描かれています。
第4章<水木しげるの描いた妖怪たち>
こちらは妖怪たち御一同様のご登場です。
画像が下手で残念ですが、実物は旧記念館の時よりもグレードアップした妖怪たちになっていたため、2歳以下は高確率で泣いていました。
光の演出が水木しげるロードの夜の影絵演出と似ていました。
ずっと漫画家水木しげるの絵によってストーリーが語られるので、水木さんの語りを聞いているような、説明を受けているような気持ちで進みます。
辛い戦争体験も、水木さんの絵でどことなく残酷さが緩和されると感じるのは私だけでしょうか。

「水木しげる記念館リニューアルオープンで水木ワールド全開!貴重な原画展も」Vol.2に続く
水木しげる記念館
住所:鳥取県境港市本町5番地
電話:0859-42-2171
開館時間:9:30~17:00まで(最終入場は16:30まで)
定休日:年中無休
入場料:
一般 900円(当日1,000円)
中高生400円(当日500円)
チケットはオンラインからも購入可能です。

<もっと水木しげるロードを知る>
新しい妖怪ブロンズ像「クタベ」仲間入り!
小さい子供も遊べる「ゲゲゲの広場」