いまや仙台に秋の訪れを告げる風物詩のひとつとなったジャズフェス。
ジャズフェスは行政の力を借りず、市民の手でここまで育ってきました。その軸は今も変わる事なく、運営は全て市民ボランティアの手で行われています。
33回目となる今年は海外も含めた600組以上の演奏者が大集合するまでに成長しました。ジャンルも、ジャズにとどまらずポップスからロック、合唱団、民族音楽までなんでもありの音楽祭となっています。
期間中は定禅寺通りから勾当台公園をメインに店舗の前や公園、路上、駅などいたるところがステージと化し、様々なジャンルの生ライブが行われます。普段あまり耳にする機会のない生の楽器の音を肌で感じ、気に入ったステージに腰を落ち着けるのもよし、所狭しと並ぶ屋台やキッチンカーで仙台名物を味わうもよし、自分のペースで自由に音楽と食を楽しむのが仙台流なんです。
今年のフェスの目玉のひとつとして「スイングカーニバル」の復活があります。来場者が楽器を持ち寄り、事前申込なしで誰でも演奏に参加できる特別企画です。2020年からパンデミックのため企画出来ずにいましたが、4年ぶりに開催が決定しました。客席とステージの垣根を取り払い、コーディネーターが場を盛り上げながら奏でられる音楽は、たまたま居合わせた人もついレンタルのパーカッションを手に取ってしまうほど魅力的な空間となるんです。
Swing Carnival
日時: 9月7日(土) 11:00~12:00
会場: 西公園 中央広場
出演: コーディネーター…サックスプレイヤー熊谷駿、ホストバンド…熊谷駿スぺシャルバンド、東北大学ビッグバンドサークルNFJO
音楽は様々な記憶をよみがえらせます。
ジャズフェスは震災のあった2011年にも規模を縮小して実施されました。地震発生時刻の午後2時46分、演奏者たちは音楽を中断、仙台市内には「ラ」(A)の音が一斉に響き渡ったのです。キーボードやギター、サックスなど様々な楽器で1分間「ラ」(A)の音を出し続けました。調律でも使われるAの音はお寺の鐘の音に近く、人の心に深く響くのだそうで、鎮魂の思いを込めた一音だったのです。
さて、盛り上がりのピークとなるのが夜のステージです。特に勾当台公園等の大きなステージがあるところには、その日のラストの曲で盛り上がろうと大勢の人が集まって来ます。人混みが得意でない方は避けた方が良いかもしれません。落ち着いて余韻を楽しみたい方は定禅寺通りを見渡せるバーなどで、ドラマのようなロマンチックな夜を楽しんでください。
定禅寺通りに面したこんな感じのバーは、冬の「光のページェント」の時にも人気が高く予約必須です。
雨天決行ですが、やっぱり晴れて欲しいですね。