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黒い聖母マリア像のある『鶴岡カトリック教会 天主堂』
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趣味・カルチャー
山形県・鶴岡
赤い尖塔屋根が目立つ『鶴岡カトリック教会 天主堂』が設立したのは、明治36年。
鶴岡市のシンボル&布教の拠点として愛されてきました。
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東北地方では最も古い歴史を持つ、ロマネスク様式の教会です。
設計は旧ザビエル教会(京都→愛知・明治村に移築)などで有名なフランス人・パピノ神父が手がけました。
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聖堂内は「バジリカ型」という建築様式に乗っ取っています。
この様式は、ローマ時代の宮殿の「謁見の間」などで採用されたものです。
中央祭壇には、イエス・キリスト像が鎮座しています。
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左側の副祭壇には、献堂を記念してフランスの修道院から贈られた聖母マリアの像があります。
実はこのマリア像、世界でも珍しい「黒いマリア」なのです。
日本でお目にかかれるのは、ここ鶴岡の天主堂だけ!
なぜ、聖母マリアの顔が黒いのか?諸説ありますが、旧約聖書の中には聖ルカのよる原肖像画のマリアの顔が、陽に焼けたような色だったことを示す一節があります。
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右の副祭壇には聖ヨゼフ像が据えられています。
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入り口側2階には、パイプオルガンがあります。
パイプが手前にあるので、地面を這わせるように設置されているようです。
オルガニストは背面からの音に耳を澄ませながら、演奏することになるのですね。かなり技量が問われそうです。
椅子の下に敷いてある畳に、和を感じますね。ちなみに土足は入り口で脱いで上がります。
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美しいステンドグラス!と思いきや、実はこれはステンドグラスではないのです。
この窓絵は「プリンティッド・フィルム・ステンドグラス」というもので、薄く透明な紙に描いた聖絵を2枚のガラスで挟んだもの。
この手法の窓絵もまた、日本ではここ鶴岡の天主堂でしか見られないそうです。
独自性が高く、他では見られないポイントの多い『鶴岡カトリック教会 天主堂』は、国の有形文化財に指定されています。
鑑賞後、椅子に座って深呼吸をすると、心洗われるような気持ちに。
ぜひ訪ねてみてください。