京都の中心地・四条烏丸からすぐのところにある杉本家住宅は、京都市有形文化財・国の重要文化財に登録され、庭園も国の名勝指定を受けた京町家です。
杉本家住宅は、元は伊勢出身の初代・杉本新右衛門が寛保3年(1743)に「奈良屋」の屋号で呉服商を創業したのが始まりです。
現在の建物は、元治元年(1864)の大火で焼失した後、明治3年(1870)に再建されたもので、表に店の間があり、奥の主屋の建物を玄関棟がつなぐという「表屋造り」になっています。
江戸時代以来の大店の構えを伝える京町家の代表的な存在となっている杉本家住宅は、敷地面積約300坪という京都市最大規模の町家で、祇園祭の際には郭巨山(かっきょやま)の町会所として御神体や懸装品が飾られる場所でもあります。
見学受付は店の間を通り抜けた内玄関にあり、その奥の広間や座敷、仏間、台所などとそれぞれに面した庭園を見ることができます。
京格子やむしこ窓、しっとりとした風情が楽しめる庭園や茶室、吹き抜けの梁が素晴らしい台所など、すべてが美しく、歴史を感じる建物でした。
庭園もそれぞれ趣が異なっています。
2羽のうさぎがちょこんと並ぶ露地庭、黒文字(お抹茶をいただく際のお菓子についている楊枝のようなもの)で作られた柴垣が特徴的な座敷庭、シンプルな中にも遊び心がある仏間のお庭。
有名なお屋敷や寺社仏閣の庭園には見られない、自然体で肩ひじ張らずに過ごせる町家ならではのお庭でした。
季節や行事に合わせてしつらえを変えるという、昔の町家では普通に行われていた景色が見られる貴重な場所。
こうした歴史的な建物を維持・管理するのは、とても大変なことです。
こうした歴史的な建物を維持・管理するのは、とても大変なことです。
でもだからこそ、これからも大切に守り続けていきたい場所だと思いました。
ひんやり風の冷たい京都。
— 杉本節子@重要文化財「杉本家住宅」 (@setsukosugimoto) 2025年11月18日
紅葉真っ只中でどこもかしこも観光客のかたで賑わっています。
杉本家住宅はひっそりと休館日。
11月の公開日は残り21(金)、22(土)、23(日)の3日間です。 pic.twitter.com/W5M40yrmje
杉本家住宅は、通年ではありませんが一般公開もされていて、ボランティアスタッフの方の説明を聞きながらゆっくりと見学することができますので、興味のある方は一度ご覧ください。












