駐車場で車を降りると、冷たい風が頬を撫でました。
けれど不思議と嫌な感じはなく、心がすっと澄んでいくようです。
塩屋埼灯台へ続く階段を、一段一段登っていきます。
途中、木々の隙間から海沿いの景色が顔を覗かせました。
冬の澄んだ空気のおかげか、遠くまで驚くほどはっきりと見えています。
階段を登りきると、霧信号用のラッパがありました。
霧などで視界が悪く、灯台が見えないときに、音で位置を知らせるための装置なのだそうです。
宮城県の金華山灯台に設置されていたもの、とのことでした。
受付前から小名浜方面を眺めてみます。
港があり、その奥には遠くまで続く砂浜が見えました。
水面には太陽の光が反射して、きらきらと輝いています。
「綺麗だなぁ」
思わず、声がこぼれました。
料金を支払い、いよいよ灯台へ向かいます。
途中で足を止め、白く輝く灯台と、そこへ続く道、そして頭上に広がる空を一枚、記念に収めました。
来て良かった。
そう素直に思える景色です。
入口から、灯台の上へと続く細くて狭い階段を登ります。
灯台の上に着くと、先ほどと同じ、冷たくも心地よい風が吹いていました。
目の前には、ただただ青い海が広がっています。
下を覗くと、海の青にも濃淡があることが分かります。
北を向けば、来る途中に木々の間から見た景色。
南を向けば、先ほどよりも広く見える港。
そして東を向けば、果てしなく続く青い海。
二度おいしい、とはよく言いますが、これは三度……
いえ、四度も五度もおいしい眺めです。
登れる灯台は全国でも16基と多くはなく、東北では青森、秋田、そしてここ福島の塩屋埼灯台の3基だけなのだそうです。
登れる灯台は初めてでしたが、想像していた以上に、見事な景色が広がっていました
機会があれば、すべて巡ってみたいですね。