前回の記事で、「石清尾八幡宮(いわせおはちまんぐう)」をご紹介しました。
石清尾八幡さんの後ろ側は、石清尾山や峰山などのなだらかな山々が広がっています。
その山のところどころに点在するのが、「石清尾山(いわせおやま)古墳群」です。
古墳時代につくられた大小さまざまな石積み・盛り土の古墳が120基ほど分布する、日本でも有名な古墳群です。
本日はその中の、「猫塚古墳」と「姫塚古墳」に行ってきました。
まずは猫塚古墳へ。

猫塚古墳は一見すると見過ごしてしまうような、細道を入っていった先に、突如として現れます。
石清尾山古墳群の中では最大規模の双方中円墳で、全体を写真に収めようとしましたが、わたしの写真技術だとちょっと無理でした。

猫塚古墳はゴロゴロとした石を積みあげて形成された積石塚。
調べてみると、古墳群の中では最も古いものと言われており、双方中円墳という形も、全国的にもほとんど類を見ない珍しいかたちだそうです。
竪穴式の石室も確認されており、その内部から鏡や銅剣、鉄剣なども出土しているようです。
古墳って考えてみれば、お墓なんですよね。
誰かが誰かを心から悼んで、甦ってほしいという望みを抱きながら、丁寧に石を積んでいったと思うと、古人の壮大で重厚な想いに驚くとともに、切なくなります。
次に向かったのが、姫塚古墳。

こちらは開けた道路沿いの小高い丘に、土と石が積み上げられています。
姫塚古墳は前方後円墳で、猫塚古墳と同様に竪穴式石室が確認されています。
どうやらこの古墳には偉い人の娘さんが埋葬されていたようで、そのことから「姫塚」と名付けられたようです。

猫塚古墳もそうですが、この姫塚古墳も、かなり高く石が積み上げられていて、古墳を見上げると、自然と向こうに空が見えるんですよね。
それだけでもとても敬虔な気持ちになりますし、その大きさに気付いたときに、自然と手を合わせている自分がいて、遠い昔の想いや気配を感じました。

帰りの道路沿いには、眺めのいい場所がちらほらと。
低山とは言え、人間からしたら十分に高いこの場所。
いにしえの人たちもここからの眺めを、その瞳に映したに違いありません。
