湘南エリアでも屈指の人気スポット・江ノ島は、江戸時代から観光地として有名でした。
芸能の神様が祀られている江ノ島には、芸事の上達を祈願して多くの参詣客があったそうです。

『藤澤浮世絵館』には、江ノ島を舞台にした浮世絵の特集コーナーがあります。

歌川国利 「大日本名所図絵 相州江のしま神社」
江ノ島の三の鳥居と人々を描いた一枚。
洋傘・洋服の人がいることから、明治期の絵であることがうかがえます。

三代歌川広重 「立斎漫画」
左下に江ノ島が描かれていますね。
現在江ノ島には橋がかかっていますが、かつての移動手段は
・船で渡る
・トンボロ(引潮の時に現れる砂州の道)を歩く
の2択だったそうです。
ちなみに浮世絵では、トンボロを歩く人々を描くことの方が多かったとのこと。

吉原秀雄 「江の島真景」
こちらは明治時代の石版画となっています。
同じ江ノ島を描いたものでも、歌川広重らの木版画とはガラッと雰囲気が変わりますよね。

浮世絵のみならず、明治の江ノ島の写真も展示されています。
明治期は浮世絵と写真が同時に存在した時代でした。
写真の普及により浮世絵は衰退していきますが、この時代は両者が残っていることによって、「実物」と「浮世絵」を比較することができるのです!